400年の歴史を持つ沖縄黒糖。
その価値を「文化的な嗜好品」として再定義するイベント——「第0回 全国きき黒糖大会 in 多良間島」のロゴとチラシデザインを担当しました。
沖縄県の離島振興事業「島まーる」の一環として生まれたこの大会。
沖縄黒糖の価値を再定義し、産地ごとの個性を五感で楽しむ「文化的な嗜好品」としての未来を拓く——その第一歩に携わることができました。
プロジェクトの背景:なぜ「第0回」なのか
今回のイベントは、来年以降の本大会開催を見据えた、いわばリハーサルの場。
だからこそ、デザインにも実験的な挑戦が許されました。
多良間島の人々にとって、黒糖は日常的に「作り、売るもの」です。
他島の黒糖と食べ比べをする機会は、ほとんどありません。
だからこそ今回のデザインには大きなミッションがありました——島の外の視点が持ち込まれることで、「自分たちの黒糖って、実はこんなに凄かったのか」という島民自身の気づきを引き出すこと。
それこそが、デザインの最大のミッションでした。
ロゴデザイン:「鑑定印」としての誇り
コンセプトは、イベントロゴではなく品質を証明する「鑑定印」。
日本酒の利き酒や茶道の検印文化からヒントを得たスタンプ型のデザインに、インクのかすれと滲みをあえて加えました。
手仕事の温もりと「未完成から始まる歴史」——「第0回」という言葉が、弱さではなく誇りに見えるよう設計しています。

チラシデザイン:参加したくなる「問いかけ」
キャッチコピーは、「あなたは、自分の島の味を当てられますか?」
情報を並べるのではなく、島民のプライドに直接語りかける一文を中心に据えました。
沖縄8島の黒糖をワインの試飲になぞらえ「観る・香る・味わう」の体験を視覚化。
黒糖ブラウン×生成りの配色で、歴史の重みと親しみやすさを両立させました。

デザインが生んだもの
2026年2月16日の開催当日、島民・観光客・ボランティアが真剣に黒糖の味と向き合う場が生まれました。
回答シートなどに制作したロゴが刻まれているのを見ると、デザインが地域の誇りを可視化できることを改めて実感。
「第0回」という実験的な場だったからこそ、参加者の声とともに育っていく「生きているデザイン」になれたと感じて、嬉しく思います。
制作概要
| 項目 | 内容 |
| クライアント | 全国きき黒糖大会実行委員会 / 多良間島観光コンシェルジュ |
| プロジェクト | 沖縄県「島まーる」事業(令和7年度 離島とのつながり促進事業) |
| 担当範囲 | ロゴデザイン、A4告知チラシ制作 |
| 使用ツール | Adobe Photoshop / Illustrator |
素晴らしい機会をいただいた多良間島の皆様、島まーる事務局の皆様に感謝申し上げます。
今後もデザインを通じて、地域の価値を届けるお手伝いを続けてまいります。


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